2013.02.27
なぜあの時パリだったのか
昨夜はなかなか寝つけませんでした。
いっその事、その時間に原稿の仕事に取り掛かろうかとも考えたんですけど、今日は早起きしなければならない予定があって、少しでも休んでおこうと、ベッドの中にいました。
何だかずっと、胸が高鳴っていたのです。
ベッドの中で、去年パリに旅立った時の思い出が、まるで走馬灯のように駆け巡っていました。
ちょうど、去年の今日の今ぐらいの時間に、パリの地に初めて足を踏み入れたんです。
(2012/2/27ブログ 「浅野太志 In Paris」 参照)
何で、あの時行ったのがパリだったんだろう…… って、時々思います。
もちろん、エテイヤのタロットに魅せられてパリに旅立ったというのも、まぎれもない事実なんですけど、それ以外にも、パリじゃなければいけない理由があるような気がする……
吉方位だから…… というような理由じゃなくてです(笑)
漠然としているんですけど、今、僕がこんなにも開放された気持ちで一年以上も居続けられているのは、あのパリの地と何か関係があるような気がするんです。
なんか…… こんな事を書くと変な人と思われるかもしれないですけど、いや、もうとっくに変な人だと思われているだろうからいいんですけど(笑)
遠い昔、あそこに住んでいたような気がするんですよ…… 多分……
パリの街並みを見た時に、涙があふれそうなくらい感動したんです。
それで、今まで抱えていたトラウマとか、ずっと心の中で割り切れない状態でくすぶっていた思い出が、パーッと溶けていったんです。
思わず 「ありがとう……」 って言葉を何度もつぶやいていました。
「Merci <メースィ>」 って言えれば、もっとカッコ良かったんでしょうけど(笑)
この街こそが、僕の欲していたものだと思った……
別に、彼女が出来た…… とか、念願の本が出版できた…… とか、そんなこの世的な喜びじゃなくて、あのパリの街並みを見ただけで、胸がいっぱいになったんです。
きっと僕の心の故郷(ふるさと)がパリだったんだと思う。
誰でもきっと、今までの人生の価値観をくつがえしてしまう、そういう場所があるんじゃないかと思います。
それはこの日本かも知れないし、イタリアかも知れない。
スペインかも知れないし、アメリカかも知れない。
ひょっとしたら、名もないような南の島かも知れないけど……
たまたま僕の場合は、それがパリだった。
人生がくすぶって、夢や希望が持てなくなった時、旅立ってみたらいいです。
きっとその場所で、なくしかけていた自分を見つけられるはずだから……
いっその事、その時間に原稿の仕事に取り掛かろうかとも考えたんですけど、今日は早起きしなければならない予定があって、少しでも休んでおこうと、ベッドの中にいました。
何だかずっと、胸が高鳴っていたのです。
ベッドの中で、去年パリに旅立った時の思い出が、まるで走馬灯のように駆け巡っていました。
ちょうど、去年の今日の今ぐらいの時間に、パリの地に初めて足を踏み入れたんです。
(2012/2/27ブログ 「浅野太志 In Paris」 参照)
何で、あの時行ったのがパリだったんだろう…… って、時々思います。
もちろん、エテイヤのタロットに魅せられてパリに旅立ったというのも、まぎれもない事実なんですけど、それ以外にも、パリじゃなければいけない理由があるような気がする……
吉方位だから…… というような理由じゃなくてです(笑)
漠然としているんですけど、今、僕がこんなにも開放された気持ちで一年以上も居続けられているのは、あのパリの地と何か関係があるような気がするんです。
なんか…… こんな事を書くと変な人と思われるかもしれないですけど、いや、もうとっくに変な人だと思われているだろうからいいんですけど(笑)
遠い昔、あそこに住んでいたような気がするんですよ…… 多分……
パリの街並みを見た時に、涙があふれそうなくらい感動したんです。
それで、今まで抱えていたトラウマとか、ずっと心の中で割り切れない状態でくすぶっていた思い出が、パーッと溶けていったんです。
思わず 「ありがとう……」 って言葉を何度もつぶやいていました。
「Merci <メースィ>」 って言えれば、もっとカッコ良かったんでしょうけど(笑)
この街こそが、僕の欲していたものだと思った……
別に、彼女が出来た…… とか、念願の本が出版できた…… とか、そんなこの世的な喜びじゃなくて、あのパリの街並みを見ただけで、胸がいっぱいになったんです。
きっと僕の心の故郷(ふるさと)がパリだったんだと思う。
誰でもきっと、今までの人生の価値観をくつがえしてしまう、そういう場所があるんじゃないかと思います。
それはこの日本かも知れないし、イタリアかも知れない。
スペインかも知れないし、アメリカかも知れない。
ひょっとしたら、名もないような南の島かも知れないけど……
たまたま僕の場合は、それがパリだった。
人生がくすぶって、夢や希望が持てなくなった時、旅立ってみたらいいです。
きっとその場所で、なくしかけていた自分を見つけられるはずだから……
2013.02.26
あの日起こった奇跡
ちょうど一年前の今日(2012/2/26)、僕は成田空港から、パリへと旅立ちました。
あのパリの取材は、精一杯予算を切り詰めたつもりですが、それでもかなり費用が掛かっているんです。
ちなみに、パリ行きの航空券のチケットは、2週間前の予約にもかかわらず(パスポートを取るのが、ギリギリになった関係でそうなった)奇跡的に、エコノミークラスの席がたった一席だけ空いていました。
この旅行は、九星気学ではもちろん大吉方位ですが、「金函玉鏡(きんかんぎょっきょう)」 という特殊な方位術でも、その日のその時間に日本を出発すると、偶然にも大吉中の大吉になっていました。
そんな訳で、航空券に関しては格安の予算で抑えられたのですが、それでもパリのアパルトマンの契約費用とか、ステファンさんにお支払いする通訳兼マネジメント費用とか、いろいろと合わせるとかなりの金額になります。
それと同時に、当時住んでいた横浜のアパートの家賃はそれなりの金額だったので、パリに滞在中は最低限の家賃に抑えようと引っ越しの手配もしたら、見事に全財産が無くなりました。
残ったのは1万円札たった1枚のみ……(笑)
まさに、僕にとって今回のパリ行きは、一世一代の大勝負でした。
ところが、その一世一代の大勝負の日に、僕はとんでもないドジをやらかしているんです。
実は、引っ越しの準備や、円をユーロに換金したりとか、新しくブログを開設したりとか、いろんな準備に追われていて、出発当日まで、荷物の準備を全くしていなかったんですね。
まあ、3時間もあれば荷物の準備なんて楽勝にできるだろうとタカをくくっていました。
出発の当日、朝一番でスーパーに行って、生活用品やら、パリで自炊しようとお米やらレトルトカレーやらを買いだしました。
パリの物価は相当高いと聞いていたし、フランス語が話せなくて、食べ物が買えなかったら困るから、日本で調達して置こうと思ったんです(笑)
そして、荷物をスーツケースとキャリーバックに入れてまとめようとした時、ある事に気づいたのです。
それは、パリに持っていくつもりのキャリーバックを前の職場に置きっぱなしにしてしまったという事……
一瞬真っ青になりましたが、家じゅうの荷物が入れられそうなものを探して、その中に衣類やら生活用品、占いの道具、そして買いだしたお米なんかを無理矢理に詰め込みました。
何が何でも全部持っていきたいと欲張ったので、相当に苦心して、荷作りが済んだ時には、かなりの時間が過ぎてしまっていたんです。
で、携帯の 「路線案内」 で、成田空港への乗り換えの方法を検索した時…… 僕は発狂しそうなくらいのパニックに襲われました。
なんと、検索結果で出てきた成田空港への到着時刻は、パリ行きの飛行機のチェックインの一時間後だったのです。
一瞬、天と地がひっくり返ったような感覚になりました。
夢なら早く覚めてほしい……
全財産をパリの生活費用に使うユーロに替えていた僕にとって、もう一度、航空チケットを買いなおして、改めてパリに行く機会を待つという選択肢は残されていませんでした。
あらゆる思考が頭の中にぶちまけられて、気がついた時には、泣きそうになりながら、お米の入った重いスーツケースと4つのバックを全身に抱えて、地下鉄の駅に向かって全速力で駆け出していました。
あれはオリンピック選手並みのスピードだったと思います(笑)
外は2月の真冬なのに、汗をかいていましたから……
まず、最初に起こった奇跡は、僕が駅のプラットホームに駆けつけると同時に、乗るべき電車の扉が開いた事……
その時は乗った電車の中で、心臓発作を起こしそうになっていました。
駆け込み乗車は危険ですから、やめましょう(笑)
そして、続いての乗換駅でも、同じような事が起きました。
その次のターミナル駅でも、待ち時間1分ぐらいで、「普通 成田空港行」 の電車が到着しました。
それでも、正直な所、一時間の遅れが取り戻せたとは思えませんでした。
でも、考えた所で、なるようにしかならない……
僕はあまり人の乗っていないその電車の座席に、どっかりと腰を下ろして、使い慣れていないスマートフォンをいじりながら、その日のブログを更新していました。
まるで自分の運命を信じるように……
(2012/2/26ブログ 「旅立ちの時」 参照)
ブログを打ち終えた時、何となくもう一回、路線案内を検索してみようという気分になりました。
すると、次に停車する駅で、特別快速の 「成田空港行」 に乗り換えられる事がわかりました。
その特別快速に乗り換えて、目的の成田空港に到着したのは、チェックインの時刻の15分後…… 空港の案内の人が、係の人に連絡を取ってくれて、何とか飛行機に乗せてもらえる事になったのです。
まあ、ここでもう一つハプニングがあったのですが(笑)
(2012/5/14ブログ 「固定観念を打ち破れば、運が開く」 参照)
今でも、一年前のあの日の記憶がよみがえります。
そして、その度に、運命の神様に感謝しています。
あの時は、神様が僕を助けてくれたと、本気で思った……
だから、もう自分の欲得の為だけに生きるのはやめようと思いました。
あの日起こった奇跡は僕に、人生の中でかけがいのない大切な事を教えてくれました。
そのままそのまま……
くじけないで運命を信じて、これからも全力で生きていくつもりです。
あのパリの取材は、精一杯予算を切り詰めたつもりですが、それでもかなり費用が掛かっているんです。
ちなみに、パリ行きの航空券のチケットは、2週間前の予約にもかかわらず(パスポートを取るのが、ギリギリになった関係でそうなった)奇跡的に、エコノミークラスの席がたった一席だけ空いていました。
この旅行は、九星気学ではもちろん大吉方位ですが、「金函玉鏡(きんかんぎょっきょう)」 という特殊な方位術でも、その日のその時間に日本を出発すると、偶然にも大吉中の大吉になっていました。
そんな訳で、航空券に関しては格安の予算で抑えられたのですが、それでもパリのアパルトマンの契約費用とか、ステファンさんにお支払いする通訳兼マネジメント費用とか、いろいろと合わせるとかなりの金額になります。
それと同時に、当時住んでいた横浜のアパートの家賃はそれなりの金額だったので、パリに滞在中は最低限の家賃に抑えようと引っ越しの手配もしたら、見事に全財産が無くなりました。
残ったのは1万円札たった1枚のみ……(笑)
まさに、僕にとって今回のパリ行きは、一世一代の大勝負でした。
ところが、その一世一代の大勝負の日に、僕はとんでもないドジをやらかしているんです。
実は、引っ越しの準備や、円をユーロに換金したりとか、新しくブログを開設したりとか、いろんな準備に追われていて、出発当日まで、荷物の準備を全くしていなかったんですね。
まあ、3時間もあれば荷物の準備なんて楽勝にできるだろうとタカをくくっていました。
出発の当日、朝一番でスーパーに行って、生活用品やら、パリで自炊しようとお米やらレトルトカレーやらを買いだしました。
パリの物価は相当高いと聞いていたし、フランス語が話せなくて、食べ物が買えなかったら困るから、日本で調達して置こうと思ったんです(笑)
そして、荷物をスーツケースとキャリーバックに入れてまとめようとした時、ある事に気づいたのです。
それは、パリに持っていくつもりのキャリーバックを前の職場に置きっぱなしにしてしまったという事……
一瞬真っ青になりましたが、家じゅうの荷物が入れられそうなものを探して、その中に衣類やら生活用品、占いの道具、そして買いだしたお米なんかを無理矢理に詰め込みました。
何が何でも全部持っていきたいと欲張ったので、相当に苦心して、荷作りが済んだ時には、かなりの時間が過ぎてしまっていたんです。
で、携帯の 「路線案内」 で、成田空港への乗り換えの方法を検索した時…… 僕は発狂しそうなくらいのパニックに襲われました。
なんと、検索結果で出てきた成田空港への到着時刻は、パリ行きの飛行機のチェックインの一時間後だったのです。
一瞬、天と地がひっくり返ったような感覚になりました。
夢なら早く覚めてほしい……
全財産をパリの生活費用に使うユーロに替えていた僕にとって、もう一度、航空チケットを買いなおして、改めてパリに行く機会を待つという選択肢は残されていませんでした。
あらゆる思考が頭の中にぶちまけられて、気がついた時には、泣きそうになりながら、お米の入った重いスーツケースと4つのバックを全身に抱えて、地下鉄の駅に向かって全速力で駆け出していました。
あれはオリンピック選手並みのスピードだったと思います(笑)
外は2月の真冬なのに、汗をかいていましたから……
まず、最初に起こった奇跡は、僕が駅のプラットホームに駆けつけると同時に、乗るべき電車の扉が開いた事……
その時は乗った電車の中で、心臓発作を起こしそうになっていました。
駆け込み乗車は危険ですから、やめましょう(笑)
そして、続いての乗換駅でも、同じような事が起きました。
その次のターミナル駅でも、待ち時間1分ぐらいで、「普通 成田空港行」 の電車が到着しました。
それでも、正直な所、一時間の遅れが取り戻せたとは思えませんでした。
でも、考えた所で、なるようにしかならない……
僕はあまり人の乗っていないその電車の座席に、どっかりと腰を下ろして、使い慣れていないスマートフォンをいじりながら、その日のブログを更新していました。
まるで自分の運命を信じるように……
(2012/2/26ブログ 「旅立ちの時」 参照)
ブログを打ち終えた時、何となくもう一回、路線案内を検索してみようという気分になりました。
すると、次に停車する駅で、特別快速の 「成田空港行」 に乗り換えられる事がわかりました。
その特別快速に乗り換えて、目的の成田空港に到着したのは、チェックインの時刻の15分後…… 空港の案内の人が、係の人に連絡を取ってくれて、何とか飛行機に乗せてもらえる事になったのです。
まあ、ここでもう一つハプニングがあったのですが(笑)
(2012/5/14ブログ 「固定観念を打ち破れば、運が開く」 参照)
今でも、一年前のあの日の記憶がよみがえります。
そして、その度に、運命の神様に感謝しています。
あの時は、神様が僕を助けてくれたと、本気で思った……
だから、もう自分の欲得の為だけに生きるのはやめようと思いました。
あの日起こった奇跡は僕に、人生の中でかけがいのない大切な事を教えてくれました。
そのままそのまま……
くじけないで運命を信じて、これからも全力で生きていくつもりです。
2012.10.10
パリ発・純度100%の恋愛観
秋本番…… すっかりと、外は涼しくなりましたね。
ここの所、ちゃんとブログの名前にフィットした、パリのブログになっています(笑)
吉村葉子さんの本を、ずっと図書館で読んでいて、忘れかけていたパリを思い出しました。
僕、パリから帰る時の飛行機の中で、「フランスは愛の国」 というフレーズが頭の中で何度何度もリフレインしていました。
そんな風にポワ~としてたら、パソコン盗まれちゃったんですけどね(笑)
パリで知り合う人はみんな、自分の身内のように優しかったです。
ステファンさんは、携帯電話で(日本人の)奥様に 「愛してるよ」 って(日本語で)言っていたし…… こういうマメな事は、日本人には、なかなか真似できない所かも知れません。
(3/1ブログ 「素敵なパリジャン」 参照)
フランス人は、「世の中で一番大事なものは愛だ」 って堂々と言えたりする……
日本人はちょっと照れくさくて言えないけど、やっぱりフランス人には、それが絶対に一番大切な事だという自信があるんだと思う。
日本では、男は社会で働いて、女は家庭を守る… というのが普通ですけど、フランスではそういうのはないです。
女性は家庭を持ってからも、社会で働いている方が一般的だし、男性だって家事や育児を積極的に手伝う……
ステファンさんだって、家で料理を作りますし、めちゃくちゃ上手です。
フランス人の男性って、すごく奥さんを大事にします。
日曜の朝には、プチディジュネという習慣があって、家事に疲れた奥さんが、まだベッドでまどろんでいる時、夫は子供の手を引いて朝のマルシェに出かけて、新鮮な野菜や食材、クロワッサンやバケットを買ってくる……
そして家に帰って、クロワッサンを焼いて朝食を作り、まだまどろんでいるベッドの妻の枕元に、入れたてのカフェオレとこんがり焼けたクロワッサンを持っていく……
フランス人の男性は、みんな一途でピュアです。
僕も見習う事にします……
逆にフランス人女性は日本人と比べて、手に負えないほど気が強いと言われています。
日仏の国際結婚も、フランス人男性×日本人女性というパターンは結構あるのに、日本人男性×フランス人女性というのは、あんまりないんです。
フランス人はピュアな分だけ、言いたい事があるとハッキリ口にします。そして、家族でいる時間をとても大切にします。
その点、日本人というのは淡白で、言いたい事があっても我慢して腹に溜め込む……
フランス人と国際結婚をするのなら、この辺の国民性の思考の違いを押さえておく必要がありますね(笑)
ファッションの価値観の違いをいうと、日本人女性にとって、シャネルとかヴィトンとかグッチとかブルガリとか…… ブランド品はそれだけでオシャレの対象ですが、パリジェンヌはあまりそういったものに価値観を見いだしません。
人からもらったら嬉しいけど、自分でそんな高いものを買おうなんて絶対に思わない……
パリでは、ヴィトンを身につけている人は、ヴィトンが大好きな人としか認識されません。
「高級ブランドだからオシャレ」 という思考は、存在しないんですね。
これは別に、日本人がブランド品を人に見せつけたがっている、という意味ではありません。
あえて言えば、人から認められている物を自分が持っている…… という事に、自尊心が満たされるといった所でしょう。
だから、もしヴィトンが100円ショップで販売させるようになってしまったら、日本人のヴィトン好きは一気に冷めます。
その点、フランス人は、あまり他人の価値観に影響されないので、100円ショップで売られようが売られまいが、ヴィトンの評価が変わる事はありません。
これは痛い所ではあるんですけど、日本人の思考ってブランドに弱い所がある気がしてなりません。
結婚相手を選ぶ時の基準も、同じようにブランドだったりする……
男性は、見目麗しき美人の女性と結婚したい… というのがあるし、女性だったら、男性の社会的ステイタスというのが、結婚の条件として非常に重要だったりします。
この価値観に異論を唱える人は、日本ではあまりいませんけど、フランス人にとっては、どちらも軽蔑の対象なんですね。
あるフランス人の男性が、
「日本人の男性が妻を大切にしないのは理解に苦しむ」
と言っていたそうです。
それは日本に行った時の事、日本人の男性に、
「日本の刺激的な所に連れて行ってやる」
と言われ、連れて行かれたのがキャバクラ(笑)
「あると思います!」 by 天津木村さん ……古い
フランス人の彼の感想は、
「狭くて暗くてうるさい所で、若い女がかわるがわるやってきて、軽薄なお世辞を言う。なんで日本人の男性は家に妻がいるのに、ああいう場所に行くのかさっぱりわからないし、何が楽しいのかも理解できない。もっと自分の妻を大切にするべきだ」
というもの…… なるほど、確かに正論ですね。
僕は今、しきりに反省している事があるんですよ。
僕もそんな恋愛観や人生観だったから、本当に自分を見失って悩んでいました。
日本というのは、いい意味でも悪い意味でもブランド志向や競争意識が強くて、知らず知らずにその影響を受けて、物事の本質を見失っていた気がする……
恋愛に対しても、人生に対しても……
パリ発の純度100%の恋愛の風を受けて、忘れてかけていたピュアな心が取り戻せた気がします。
ここの所、ちゃんとブログの名前にフィットした、パリのブログになっています(笑)
吉村葉子さんの本を、ずっと図書館で読んでいて、忘れかけていたパリを思い出しました。
僕、パリから帰る時の飛行機の中で、「フランスは愛の国」 というフレーズが頭の中で何度何度もリフレインしていました。
そんな風にポワ~としてたら、パソコン盗まれちゃったんですけどね(笑)
パリで知り合う人はみんな、自分の身内のように優しかったです。
ステファンさんは、携帯電話で(日本人の)奥様に 「愛してるよ」 って(日本語で)言っていたし…… こういうマメな事は、日本人には、なかなか真似できない所かも知れません。
(3/1ブログ 「素敵なパリジャン」 参照)
フランス人は、「世の中で一番大事なものは愛だ」 って堂々と言えたりする……
日本人はちょっと照れくさくて言えないけど、やっぱりフランス人には、それが絶対に一番大切な事だという自信があるんだと思う。
日本では、男は社会で働いて、女は家庭を守る… というのが普通ですけど、フランスではそういうのはないです。
女性は家庭を持ってからも、社会で働いている方が一般的だし、男性だって家事や育児を積極的に手伝う……
ステファンさんだって、家で料理を作りますし、めちゃくちゃ上手です。
フランス人の男性って、すごく奥さんを大事にします。
日曜の朝には、プチディジュネという習慣があって、家事に疲れた奥さんが、まだベッドでまどろんでいる時、夫は子供の手を引いて朝のマルシェに出かけて、新鮮な野菜や食材、クロワッサンやバケットを買ってくる……
そして家に帰って、クロワッサンを焼いて朝食を作り、まだまどろんでいるベッドの妻の枕元に、入れたてのカフェオレとこんがり焼けたクロワッサンを持っていく……
フランス人の男性は、みんな一途でピュアです。
僕も見習う事にします……
逆にフランス人女性は日本人と比べて、手に負えないほど気が強いと言われています。
日仏の国際結婚も、フランス人男性×日本人女性というパターンは結構あるのに、日本人男性×フランス人女性というのは、あんまりないんです。
フランス人はピュアな分だけ、言いたい事があるとハッキリ口にします。そして、家族でいる時間をとても大切にします。
その点、日本人というのは淡白で、言いたい事があっても我慢して腹に溜め込む……
フランス人と国際結婚をするのなら、この辺の国民性の思考の違いを押さえておく必要がありますね(笑)
ファッションの価値観の違いをいうと、日本人女性にとって、シャネルとかヴィトンとかグッチとかブルガリとか…… ブランド品はそれだけでオシャレの対象ですが、パリジェンヌはあまりそういったものに価値観を見いだしません。
人からもらったら嬉しいけど、自分でそんな高いものを買おうなんて絶対に思わない……
パリでは、ヴィトンを身につけている人は、ヴィトンが大好きな人としか認識されません。
「高級ブランドだからオシャレ」 という思考は、存在しないんですね。
これは別に、日本人がブランド品を人に見せつけたがっている、という意味ではありません。
あえて言えば、人から認められている物を自分が持っている…… という事に、自尊心が満たされるといった所でしょう。
だから、もしヴィトンが100円ショップで販売させるようになってしまったら、日本人のヴィトン好きは一気に冷めます。
その点、フランス人は、あまり他人の価値観に影響されないので、100円ショップで売られようが売られまいが、ヴィトンの評価が変わる事はありません。
これは痛い所ではあるんですけど、日本人の思考ってブランドに弱い所がある気がしてなりません。
結婚相手を選ぶ時の基準も、同じようにブランドだったりする……
男性は、見目麗しき美人の女性と結婚したい… というのがあるし、女性だったら、男性の社会的ステイタスというのが、結婚の条件として非常に重要だったりします。
この価値観に異論を唱える人は、日本ではあまりいませんけど、フランス人にとっては、どちらも軽蔑の対象なんですね。
あるフランス人の男性が、
「日本人の男性が妻を大切にしないのは理解に苦しむ」
と言っていたそうです。
それは日本に行った時の事、日本人の男性に、
「日本の刺激的な所に連れて行ってやる」
と言われ、連れて行かれたのがキャバクラ(笑)
「あると思います!」 by 天津木村さん ……古い
フランス人の彼の感想は、
「狭くて暗くてうるさい所で、若い女がかわるがわるやってきて、軽薄なお世辞を言う。なんで日本人の男性は家に妻がいるのに、ああいう場所に行くのかさっぱりわからないし、何が楽しいのかも理解できない。もっと自分の妻を大切にするべきだ」
というもの…… なるほど、確かに正論ですね。
僕は今、しきりに反省している事があるんですよ。
僕もそんな恋愛観や人生観だったから、本当に自分を見失って悩んでいました。
日本というのは、いい意味でも悪い意味でもブランド志向や競争意識が強くて、知らず知らずにその影響を受けて、物事の本質を見失っていた気がする……
恋愛に対しても、人生に対しても……
パリ発の純度100%の恋愛の風を受けて、忘れてかけていたピュアな心が取り戻せた気がします。
2012.10.09
パリ風生活スタイル
吉村葉子さんの本 (昨日のブログ参照)を読んで、パリが本当に懐かしくなりました。
もう一度行きたいと思いつつも、時間と予算の関係もあるし、今は時期を見送ってます(笑)
パリに行って感じたのは、パリの人はみんな日本人に好感を持ってくれているという事です。
一生懸命に頑張って働く日本人を、すごいと思っている……
日本のように、クロネコヤマトの宅急便のお兄ちゃんが、汗をかきながら走り回っている姿というのは、パリではありえない事です。
フランス人は、のんびり屋さんですから(笑)
これは、ステファンさんの奥様から聞いた話ですが、パリの宅配便はかなり適当で、不在表をはさんで知らせてくれるのならまだいい方……
問い合わせなければ、郵便局に永遠に置きっぱなしにされているのが普通だという事です。
例えば、日本で水道管が破裂したら、電話を一本するだけで、すぐに業者の方が駆けつけてくれます。
ちなみにパリですと一応24時間対応の業者はあるのですが、連絡してもすぐには来てくれません。
パリでは、水道管が古いので水回りの故障は日常茶飯事です……
フランス人の中でも、経営者や管理職の人は仕事に対して非常に真面目ですが、アルバイトやパートなどの労働者の仕事ぶりは、おおむねかなり適当です(笑)
それに対して日本人はみんな非常に勤勉で、「もっともっと」 と常に上を目指して一生懸命にやる。
例え自分には利益がなくても……
ところが、長所というのは短所の裏がえしですから、悪く言えばこれは欲張りという事になります。
日本人はあまり重要な事ではない事でも、必死になって、「もっともっと」 と欲張って無理をします。
パリを観光する日本人は、決まって忙しく走り回りながら観光名所を残らず回りきろうとします。
僕もそうだった…… (「パリの休日」 参照)
おみやげだって、持ち帰れないくらいにたくさん買いまくる。
抱えきれないほどの買い物袋を両手に持っている日本人の姿は、フランスの人には、かなり異様に映るらしいです。
日本人という民族は、他人が持っている物は、たいがい一通り全て揃えようとします。
子供が生まれたなら、大学へ行かせる為のお金も用意する… よその家がそうしているのに、うちだけがしないのは子供が可哀そうだと言って……
ちなみにこういう考え方は、フランス人にはないです。
余程に裕福な家庭は別として、親が子供が通う大学の学費を払うという事もないです。
基本フランスでは、みんな18歳の成人になったら、親元を離れて自立するのが普通ですから……
これは、著者の吉村さんが指摘していた事ですけど、日本の少子化問題や、若者が結婚をしない選択をする理由に、自分の将来に対する不安や、生まれてくる子供を食べさせていく自信がない事があげられます。
これは、フランス人には、絶対にありえない思考回路らしいです。
愛しあった男女が結婚するのは普通の流れだし、無駄なものを買ったり不必要な見栄を張らなければ、生活の上でお金に困る事はないと思っているから……
フランス人の若者の10人中7人は、カップルでつつましやかに暮らしているんです。
そして、若い内から自発的に、将来の持ち家の為にエパーニュ ロジュモン(épargne logement = 住宅貯金)を始めます。
早い内に始めておけば、銀行との信頼関係が深まり、買いたい物件が見つかった時に融資が受けられるんです。
それから、日本で暮らす男性にとって、とにかくデートというものは、女性にいい所を見せなければいけないという意味でも、本当にお金がかかるから、かなりお財布が痛いです。
その点、パリのフランス人の定番のデートは、朝のマルシェ(3/3ブログ 「パリの朝とマルシェ」参照)に行って食材を買いこんでから、近所のカフェでコーヒーを楽しむというもの……
そして、不動産屋に寄って、将来自分達が住めるよい住宅物件がないか探したりします。
これなら全然お金が掛かりません。
子供の大学の学費の事なんて考えない…… そんなに大学に行きたければ、奨学金制度を使ってバイトをしながらでも行けばいいのだし、無理をして大学に行かせる必要もない。
大学に行ったからって、幸せになれるとも限らないのですから……
パリ風生活スタイルをすれば、お金をかけないで人生を豊かに過ごせて、さらに少子化だって解消できる(笑)
我々日本人も、少し見習う必要があるのではないでしょうか。
もう一度行きたいと思いつつも、時間と予算の関係もあるし、今は時期を見送ってます(笑)
パリに行って感じたのは、パリの人はみんな日本人に好感を持ってくれているという事です。
一生懸命に頑張って働く日本人を、すごいと思っている……
日本のように、クロネコヤマトの宅急便のお兄ちゃんが、汗をかきながら走り回っている姿というのは、パリではありえない事です。
フランス人は、のんびり屋さんですから(笑)
これは、ステファンさんの奥様から聞いた話ですが、パリの宅配便はかなり適当で、不在表をはさんで知らせてくれるのならまだいい方……
問い合わせなければ、郵便局に永遠に置きっぱなしにされているのが普通だという事です。
例えば、日本で水道管が破裂したら、電話を一本するだけで、すぐに業者の方が駆けつけてくれます。
ちなみにパリですと一応24時間対応の業者はあるのですが、連絡してもすぐには来てくれません。
パリでは、水道管が古いので水回りの故障は日常茶飯事です……
フランス人の中でも、経営者や管理職の人は仕事に対して非常に真面目ですが、アルバイトやパートなどの労働者の仕事ぶりは、おおむねかなり適当です(笑)
それに対して日本人はみんな非常に勤勉で、「もっともっと」 と常に上を目指して一生懸命にやる。
例え自分には利益がなくても……
ところが、長所というのは短所の裏がえしですから、悪く言えばこれは欲張りという事になります。
日本人はあまり重要な事ではない事でも、必死になって、「もっともっと」 と欲張って無理をします。
パリを観光する日本人は、決まって忙しく走り回りながら観光名所を残らず回りきろうとします。
僕もそうだった…… (「パリの休日」 参照)
おみやげだって、持ち帰れないくらいにたくさん買いまくる。
抱えきれないほどの買い物袋を両手に持っている日本人の姿は、フランスの人には、かなり異様に映るらしいです。
日本人という民族は、他人が持っている物は、たいがい一通り全て揃えようとします。
子供が生まれたなら、大学へ行かせる為のお金も用意する… よその家がそうしているのに、うちだけがしないのは子供が可哀そうだと言って……
ちなみにこういう考え方は、フランス人にはないです。
余程に裕福な家庭は別として、親が子供が通う大学の学費を払うという事もないです。
基本フランスでは、みんな18歳の成人になったら、親元を離れて自立するのが普通ですから……
これは、著者の吉村さんが指摘していた事ですけど、日本の少子化問題や、若者が結婚をしない選択をする理由に、自分の将来に対する不安や、生まれてくる子供を食べさせていく自信がない事があげられます。
これは、フランス人には、絶対にありえない思考回路らしいです。
愛しあった男女が結婚するのは普通の流れだし、無駄なものを買ったり不必要な見栄を張らなければ、生活の上でお金に困る事はないと思っているから……
フランス人の若者の10人中7人は、カップルでつつましやかに暮らしているんです。
そして、若い内から自発的に、将来の持ち家の為にエパーニュ ロジュモン(épargne logement = 住宅貯金)を始めます。
早い内に始めておけば、銀行との信頼関係が深まり、買いたい物件が見つかった時に融資が受けられるんです。
それから、日本で暮らす男性にとって、とにかくデートというものは、女性にいい所を見せなければいけないという意味でも、本当にお金がかかるから、かなりお財布が痛いです。
その点、パリのフランス人の定番のデートは、朝のマルシェ(3/3ブログ 「パリの朝とマルシェ」参照)に行って食材を買いこんでから、近所のカフェでコーヒーを楽しむというもの……
そして、不動産屋に寄って、将来自分達が住めるよい住宅物件がないか探したりします。
これなら全然お金が掛かりません。
子供の大学の学費の事なんて考えない…… そんなに大学に行きたければ、奨学金制度を使ってバイトをしながらでも行けばいいのだし、無理をして大学に行かせる必要もない。
大学に行ったからって、幸せになれるとも限らないのですから……
パリ風生活スタイルをすれば、お金をかけないで人生を豊かに過ごせて、さらに少子化だって解消できる(笑)
我々日本人も、少し見習う必要があるのではないでしょうか。
2012.10.08
フランス式人生の楽しみ方
この前、国会図書館に行った時に読んだ 、「お金がなくても平気なフランス人 お金があっても不安な日本人」(吉村葉子著・講談社文庫/560円)は、本当にツボにはまったというか、面白い本でした。
著者の吉村葉子さんの本には、フランスと日本のそれぞれ国民性や価値観の違いなどについて書かれているものが他にもたくさんあるのですが、中でもこの本は、とてもわかりやすいです。
フランスに行った日本人が考える事は、誰でも同じなんだな…… なんて考えさせられました(笑)
僕がパリに着いて真っ先に探したのは、ジュースの自動販売機でした。 やっぱり、日本人は自販機探すらしい…
ところが街を歩いていてもどこにも見当たらない…… パリの街には自動販売機がほとんど存在しないんですよ。
たまに、数少ないジュースの自動販売機を見つける事ができたとしても、まず壊れているんです(笑)
これはどうやら、街中に自動販売機があふれている日本という国の方が、世界で特殊らしいです。
日本に来た外国人は、みんな日本の自動販売機の素晴らしさに感動するんですね。
性能もすごいけど、壊れていない所がすごい…… 外国じゃ窃盗犯にすぐに壊されますから……
我々にとっては当たり前の事ですけど、日本のこういう治安の良さというのは世界に類を見ないです。
それに、フランスの人は、ジュースの自動販売機なんて必要としないんですね。
そんなものなくたって、カフェに立ちよればいいし、お金を掛けたくなければ、お店でドリンクを買えばいいし、家に帰って飲み物を作ればいい……
まあ、確かにそうです。
ちなみにパリには、コンビニもないです。
わざわざ深夜に買い物なんてしなくたっていい、というのがフランス人の考え方です。
逆に日本人というのは、いつでもさらなる利便性を追求しようとする……
国民性の違いですね。それぞれに良さがあります。
フランス人というのは、日本人に比べて非常に合理的です。
日本人は、もっと便利なものを……、もっと豊かなものを……、と常に上を目指していこうとする所はすごいけど、フランス人から見たら、頑張っている割には非効率… という事になるらしいです。
日本人は必要のない所にお金をかけ過ぎるし、無駄が多すぎる…
例えばフランスでは、マダム達がお茶会をする時のおやつは、家で焼いたクッキーだったり、簡素なタルトケーキだったりします。大して凝ったものでもなく、ただ、できあいの材料で作りました、というような……
間違っても日本のお茶会のように、銀座コージーコーナーのケーキやプリンが出てくる事はないんですね。
そんな所でお金をかけるなんて、フランス人からしたらありえない……
どこかのお家にお邪魔した時に、てんや物の食事が出るなんて事もありません。フランスでは、それは逆に招待したお客様に失礼だったりします。
必ず例外なく、手作りの家庭料理が出てきます。
これは、この本に載っていたフランス人の彼氏と恋仲になった日本人女性の話です。
おなかがすいた彼の為に、昼食にステーキを作ってあげようとした日本人の彼女が、お肉を焼いた後すぐにフライパンを洗おうとしたんですね。
早く洗わないとフライパンに油がこびりつく… 日本人の考えそうな事です(笑)
そうしたら、フランス人の彼氏に、Mais non! <メ ノン>(= おバカ)って言われて、フライパンを取り上げられたそうです。
あの肉汁は、フランス人にとっては貴重なソースなんですね。他のおかずの味付けにする……
日本人にはそういう感覚がないから、さっさと熱い内にフライパンを洗ってしまえ…… って事になるんですけど。
買い物でも、スーパーのパックのサラダは滅多に売れないそうです。
フランスの野菜は新鮮で安いですから…… 人件費の分高くなった出来合いのサラダを、わざわざ買うフランス人は滅多にいません。
だいたいフランス人は欲しい物をお店で見つけても、財布を出して買おうとはしないです。
本当に自分にとって必要なものしか買わない……
フランス人というのは常に、「無いものねだりなんてしないで、さっさとあきらめて、叶う範囲での幸せを探す」 という思考になります。
C'est la vie. <セラビ>(= それが人生よ)なんて言いながら、人生を楽しんでしまう。
日本人は優秀な民族ですけれど、それ故にいつもせかされて、人生を楽しめていない所があるかも知れません。
時にはパリ風に少し肩の力を抜いて、無駄のない人生を楽しんでみるのもいいかも知れません。

フランスに行った日本人が考える事は、誰でも同じなんだな…… なんて考えさせられました(笑)
僕がパリに着いて真っ先に探したのは、ジュースの自動販売機でした。 やっぱり、日本人は自販機探すらしい…
ところが街を歩いていてもどこにも見当たらない…… パリの街には自動販売機がほとんど存在しないんですよ。
たまに、数少ないジュースの自動販売機を見つける事ができたとしても、まず壊れているんです(笑)
これはどうやら、街中に自動販売機があふれている日本という国の方が、世界で特殊らしいです。
日本に来た外国人は、みんな日本の自動販売機の素晴らしさに感動するんですね。
性能もすごいけど、壊れていない所がすごい…… 外国じゃ窃盗犯にすぐに壊されますから……
我々にとっては当たり前の事ですけど、日本のこういう治安の良さというのは世界に類を見ないです。
それに、フランスの人は、ジュースの自動販売機なんて必要としないんですね。
そんなものなくたって、カフェに立ちよればいいし、お金を掛けたくなければ、お店でドリンクを買えばいいし、家に帰って飲み物を作ればいい……
まあ、確かにそうです。
ちなみにパリには、コンビニもないです。
わざわざ深夜に買い物なんてしなくたっていい、というのがフランス人の考え方です。
逆に日本人というのは、いつでもさらなる利便性を追求しようとする……
国民性の違いですね。それぞれに良さがあります。
フランス人というのは、日本人に比べて非常に合理的です。
日本人は、もっと便利なものを……、もっと豊かなものを……、と常に上を目指していこうとする所はすごいけど、フランス人から見たら、頑張っている割には非効率… という事になるらしいです。
日本人は必要のない所にお金をかけ過ぎるし、無駄が多すぎる…
例えばフランスでは、マダム達がお茶会をする時のおやつは、家で焼いたクッキーだったり、簡素なタルトケーキだったりします。大して凝ったものでもなく、ただ、できあいの材料で作りました、というような……
間違っても日本のお茶会のように、銀座コージーコーナーのケーキやプリンが出てくる事はないんですね。
そんな所でお金をかけるなんて、フランス人からしたらありえない……
どこかのお家にお邪魔した時に、てんや物の食事が出るなんて事もありません。フランスでは、それは逆に招待したお客様に失礼だったりします。
必ず例外なく、手作りの家庭料理が出てきます。
これは、この本に載っていたフランス人の彼氏と恋仲になった日本人女性の話です。
おなかがすいた彼の為に、昼食にステーキを作ってあげようとした日本人の彼女が、お肉を焼いた後すぐにフライパンを洗おうとしたんですね。
早く洗わないとフライパンに油がこびりつく… 日本人の考えそうな事です(笑)
そうしたら、フランス人の彼氏に、Mais non! <メ ノン>(= おバカ)って言われて、フライパンを取り上げられたそうです。
あの肉汁は、フランス人にとっては貴重なソースなんですね。他のおかずの味付けにする……
日本人にはそういう感覚がないから、さっさと熱い内にフライパンを洗ってしまえ…… って事になるんですけど。
買い物でも、スーパーのパックのサラダは滅多に売れないそうです。
フランスの野菜は新鮮で安いですから…… 人件費の分高くなった出来合いのサラダを、わざわざ買うフランス人は滅多にいません。
だいたいフランス人は欲しい物をお店で見つけても、財布を出して買おうとはしないです。
本当に自分にとって必要なものしか買わない……
フランス人というのは常に、「無いものねだりなんてしないで、さっさとあきらめて、叶う範囲での幸せを探す」 という思考になります。
C'est la vie. <セラビ>(= それが人生よ)なんて言いながら、人生を楽しんでしまう。
日本人は優秀な民族ですけれど、それ故にいつもせかされて、人生を楽しめていない所があるかも知れません。
時にはパリ風に少し肩の力を抜いて、無駄のない人生を楽しんでみるのもいいかも知れません。