それでも、自分のなりたい職業や夢だけは、お金では買えません。
例えばミュージシャンになって、CDをミリオンヒットさせたい、という夢があったとします。
僕も若かりし頃、そんな事 夢見てた(笑)
そういうのって、お金があれば、夢が叶うような気がするんですね。
莫大な金額のお金があれば…
だから、資金力のあるレコード会社や音楽プロダクションに、自分を売り込みに行く事になります。
とはいえ、余程の実力や運がない限り、すんなりとCD発売には、こぎつけません。
もし億万長者だったら、こんな夢全部叶うのになあ…
僕、若い頃は、こんな事ばっかり考えてました(笑)
上京したての頃、僕は新宿の街に住んでいました。
岐阜にいる頃から、東京に上京するなら、ねぐらは新宿にしようと決めていたのです。
当時 「笑っていいとも」 の収録場所スタジオアルタが、新宿にあったからです。
テレフォンショッキングに呼ばれた時、家が近い方がいいだろうと思った
… おバカさん(笑)
新宿の街をぶらつきながら、いつも考えてました。
もし、お金があったら… CDを自費で製作して、テレビのコマーシャルも買い取って、雑誌の広告も出して、この新宿東口にある看板を全部独占して宣伝したら、大ヒット間違いなしなのに…
若かったです。本当… 十代のあの頃(笑)
まあ、お金なんて、あるはずがなくて、自分の毎日の食費さえ、ヤバかったのですが…
でも、仮にお金があったとしても、それをやったらCDが大ヒットするか… といったら、まずありえないんですね。
やっぱり、良いものは売れるし、良くないものは売れないんです。
どんなに広告しても、そこは変わらない。
だから、レコード会社もプロダクションも、どんなに真剣な顔で売り込みに行っても、首を縦には振らないんです。
売れないCDに、そんな広告費を出したら、会社が倒産しますから…
いや、それどころか、デモテープを聞いているかどうかも怪しい…
「とりあえず、預かっておきます」
といって、受け取るだけで、その後は何の連絡もきません。
それもそのはずです。同じような事を考えている若者が、五万といるんですから、しかもテープを聴いてみた所で、ほとんど使い物になる逸材はいない。
面倒くさいから、机にデモテープが山積みになっていても不思議はありません。
そんなもんですよ。現実って(笑)
出版業界でも、芸能界でも、だいたい同じようなものです。
ところが、たまに、ものすごく調子のいい話があるんです。
「いやあ~ 君はミュージシャンの才能がある。うちのプロダクションに是非所属してください」
「えーっ、本当ですかっ」
「もちろんだとも…。ただし、今のままではまだ実力が足りないから、レッスンを受けた方がいい。まあ、月3万円で受けられるよ。あと、プロダクション登録費用として初回は15万円かかるからね。」
「あの… CDは出せるんですか?」
「それは、君の努力次第さ。ハハハ…」
とか(笑)
出版業界であれば、例えば、あまり聞いたことがないような名前の会社が主催する小説の懸賞に、自分の作品を送るとします。
すると、しばらくして電話がかかってきて、
「おめでとうございます。貴方の作品が佳作に選ばれました」
「という事は、出版してもらえるんですか」
「もちろんですとも。入賞ではないので、全額こちらで費用をお出しする訳にはいかないのですが…」
「いくらぐらいかかるのですか?」
「はい、佳作の著者の方には200万ほどのご負担を頂いております」
とか(笑)
ここの出版社に応募された作品は、多分全部「佳作」に選ばれてますね。
こんなもんですよ。
真面目に夢を目指している人達を、食い物にしている連中がいるんです。
そして、こんなわかりやすい営業にも、引っかかってしまう人達もいる。
街でギターを背負って歩いていると、怪しげな人がつかつかと近寄って来て、
「君、ミュージシャンで成功する事を目指しているね。
その為には運が必要だ… 運さえあれば夢は叶うんだよ。
今、君に必要なのは、強大な運を与えてくれるこの神様のパワーが入った壺だよ。
まあ、この壺は本来100万円なんだが、君は努力しているようだから、それに免じて5万円で売ってあげよう。
はっきり言えば、君はこの壺がないと、絶対に夢は叶わないだろう」
人の弱点につけこんでくる人間は、いっぱいいますよ。
こういう人間に、絶対に引っかかってはいけません。
夢を本当に叶えたい人は、絶対に覚えておいてください。
「夢はお金じゃ買えない」 という事を。
では、どうしたら夢は手に入るのか…
自力でつかみ取るんです。
ミュージシャンだったら、ライブハウスで演奏をして、客を呼べるかどうか、ファンがついてくるかどうかが勝負です。
それは、本当にいい演奏をしているかどうかで決まる。
客が入らない…とか、ファンがつかない…というのは、何かがマズいのです。
演奏そのものがマズいのか、売り込み方がマズいのか、何かはわからないけれど、少なくとも何かがマズい。
そこで、何がマズいのか一生懸命考える所に意味があります。
そして、その部分を改善していく。これの繰り返しです。
そのうちに、演奏も良いものになるし、客数も増えるし、ファンもつくんです。
ライブの客席に、レコード会社やプロダクションの社長も、お忍びで来ているかも知れない…
どんな業種でも、これと同じ事です。
小説を書いたり、漫画を描いたりしたなら、それを懸賞に出すのもいいけれど、たくさんの人に見せて、率直な意見をもらう事です。
どちらかというと、厳しい意見ほど参考になるものです。
もちろん、人の評価を全て真に受ける必要はありません。あくまでも、作品を良くするためのツールです。
本当にその作品が素晴らしいものだったら、人に見せているその場で評判になりますよ。情報をかぎつけて出版社がやってくるのも、本の発売も、やがて時間の問題です。
夢はこういう努力さえきちんとしていれば、途中で投げ出さない限り、必ず叶います。
夢が叶わない人は、こういうのを面倒がって、やらないんです。
そして、安易な方法に依存する…
あげくの果てに、おかしなものに騙されるんです。
真剣に努力して叶わない夢なんて、この世にないですよ。
- 関連記事
-
- 恋愛運が良くない人の共通点
- 夢はお金じゃ買えない
- チャンスは人が持ってくる