
そう思うと、何もかもがとてもいとおしく思えてきます。
やっと、住み慣れてきた、アパルトマンの7階にあるこの部屋…。

いつも使う、レトロなこのエレベーター。
(←金網のドアを手で開けて、中に乗り込みます)
だいぶ見慣れてきた、外の風景。

そして、この特別な時間…
長い人生の中で二度と戻ってこない、今というこの瞬間。
この瞬間の連続の中で、僕は生きている。
これは、この先もずっと同じですね。
別にパリにいなくても、それはやっぱり変わらない。
それにもかかわらず、人は弱いから、今この瞬間に生きていない事も多かったりします。
過去に起こってしまった事や、未来の心配事に、いつも心を奪われて…。
せっかく生まれて来たのだから、やっぱりそれはもったいないと思いました。
クヨクヨいろんな事に思い悩むのは、別に今じゃなくても、あの世に行ってからだって出来ますもん。
いつだって、真新しい「今」という名のこの瞬間の光に包まれている。
それは当たり前の事なのに、いつも僕は忘れてしまいがちで…
だから時々思い出す事にします。
シャワーを浴びている時の温かいお湯の肌触り…
食事をしている時の幸福感…
目の前の街の、この瞬間の素晴らしい景色…
物思いにふけって、おざなりにしてしまわないように。
もしも、今何かに心が捉われてしまっていたなら、この当たり前の事をぜひ感じてみてください。
ほんの少しだけでも構いません。
心が捉われから抜けた時、無限の可能性を秘めた「今」がそこにあるのが、きっと見つかるはずです。