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浅野太志 songe a Paris

パリでエテイヤ・タロットの取材を終えた、占い師・浅野太志の日々の活動をつづります。

いざ、内面の旅へ

 人生というものは、いろいろあっても、やっぱり素晴らしいものだと思うのですが、局所的に見れば、嫌な事や辛い事もたくさんあります。
 でも、そういったものは、やがては時間と共に忘れていきます。それに固執さえしなければ、ちゃんとそうなります。

 とはいえ中には、この忘却ができずに、悶々と苦しむ人がいます。いわゆる、心のトラウマになってしまった状態です。
 トラウマの対象は人によって様々ですが、こうなってしまうと、そう簡単に解決できるものではありません。

 ちょうど、お風呂場とかのタイルの目地のカビと同じです。あの汚れは、洗剤とタワシでこすっても、なかなか落とせません。
 あれ、ある程度時間が経つと、カビキラーでも落とせないです(笑)
 目地のしっくいの中に、カビの根が浸透してしまっていますから…

 で、一番手っ取り早いのが、真っ黒なカビの上から白い色を塗ってしまう方法です。
 とはいえ、その下にカビの根っこがそのまま残っている訳ですから、時間が経ったらまた出てきますけど…

 自己啓発とか宗教の教えなんかで多いのが、これに似た処置です。
 教理や教論で、平面的に真っ白にくくってしまうんです。
 人によっては、それで救われる事もありますから、結果オーライです。

 ただし、一時的にはいいのですが、残念ながら根本的な解決にはなっていません。
 自分の価値観ではなく、その教えのフィルターを通してでしか、物が見れなくなってしまうのが、やや難点といえます。

 もしも、タイルの目地のカビを根本から取ろうと思ったら、針で目地をほじくって洗剤で磨いていくような事をするしかないです。
 時間も掛かるし、タイルをうっかり傷つけてしまうかも知れませんが…

 実は僕、これに似た方法を、実験も兼ねて自分でやって見ようと思ったのです。(うまくいくかどうかは、わかりませんが…)

 これは、ハリウッドの映画俳優のロバート・デニーロやアル・パチーノなんかが、アクターズ・スタジオで学んだという 「メソッド演技」 の学習ステップの一つです。
 (5/28ブログ 「イメージした自分が現実になる」 参照)

 メソッド演技というのは、役の気持ちを共有して、舞台上で完全にその役に生きるというのを理想としています。
 でも中には、どうしてもアクター(役者)がその役になりきれない事があります。つまり、アクターそのものが無色透明になっていない場合です。
 人によっては、遊女の役ができないとか、詐欺師の役ができないとか、様々です。また、撮影のカメラが回ると演技が止まるとか…
 その苦手意識に、何らかのトラウマが存在すると考える訳です。

 メソッド演技の学習の真骨頂は、「自分と向き合う事」。

 アクター自身がそれぞれ、自分の過去に、目をそらした事を、勇気を出してもう一度向き合う… という作業をする事にあります。
  はたから見ていると、メソッド演技は、まるで変な宗教…

 具体的にどういう作業をするかというと、過去の自分が経験した辛いと思った体験(トラウマとなって、アクターの違和感のある動きや表情になっている原因)を探り、その記憶を思いおこして、ありのまま見つめて受け入れ、相手や自分を許す。
 つまり、未消化のまま過去に追いやられていた、目をそむけた出来事に向かい合うという作業です。

 これは結構危険なんですよ。人によっては、忘却によって心が守られている事もありますから…
 ヘタにほじくり出すと、元に戻れない人もいる。
 「絶対に負けないんだ」 という強い意志を持った人しかできません。

 中には、過去のトラウマに押しつぶされて、精神疾患になってしまう人もいます。
 マリリン・モンローがそうでした。モンローは、アクターズ・スタジオのメソッド演技の学習で、過去のトラウマをほじくり出した事に耐えられなくなって、アルコール依存症になってしまったのです。

それに比べると、メソッドをやり遂げたロバート・デニーロとかはすごい…

 意志の弱い人や、途方もないトラウマを抱えている人には、あまりおすすめできません。

 僕も今までは恐ろしくてできなかったのですが、これからやっていく占い師の仕事というものに対して、自分の軸がブレないようにするためにも、腹をくくってやってみようと思いました。
 もう、自分だけの問題は済まないから、ある意味、覚悟ができました。

 という訳で、早速、ほんの少しやって見ましたが、すんなりとはいかないですね(笑)
 生まれてから思い出せる限りで、自分がされて嫌だった事、自分がしてしまったヒドイ事…
 特に、自分がしてしまったヒドイ事(罪の意識)を思い出すのはキツイですね。
 よく内容が思い出せなかったり、拒否反応が起きたりします。

 無理は禁物ですから、長丁場でいくつもりです。
 (無理すると、本当に危険)
 こういうものがクリアに見えてくると、それらの内容は全部つながっていて、全ての出来事は意味があって、連鎖して起きているという事がわかるそうです。

 この作業は苦しいです…
 でも、この苦しみと向かい合う事によって、ますます自分がとぎすまされて、輝いていく。

 ひょっとしたら、苦しみというものは、幸せを次々に生み出してくれる最高の打ち出の小づちなのかも知れません。


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