浅野太志 songe a Paris

パリでエテイヤ・タロットの取材を終えた、占い師・浅野太志の日々の活動をつづります。

可哀そうなモンパルナスタワー

 パリの街並みは、本当に美しいです。

外 右の写真は、僕のアパルトマンの入口外の風景です。
 とってもオシャレでしょ。

 この美しい外観が保たれる為に、パリでは法律によって、例え個人の持ち物でも、古くからの石造りの建物は、壊すことが出来ないのです。

 また、1977年からつい最近までは、建築物の高さ制限があって、パリの中心部では37m以上の建物は建てられませんでした。

モンパルナスタワー そんな法律が出来たのは、1972年に、この210m59階建てのモンパルナスタワーが建設された事がきっかけです。

 高いでしょう~。
 屋上からパリを一望できます。

 ステファンさんの話によると、このビルはパリの景観を損なうという事で、特に若者には、大変評判の悪い嫌われ者のビルだそうです。

パリ市街とモンパルナス

 うむ…。確かに、景観をじゃましてますなあ~(笑)

 でも、なぜか僕は、そんな嫌われ者のこのビルに同情してしまうのです…。

 まるで、エリファス・レヴィに、散々こき下ろされている、エテイヤのエジプシャンタロットみたいに思えて…。

エリファス・レヴィ(1810~1875)… フランス・パリ出身の魔術導師であり、オカルティストの祖とも言われる人物。著書「高等魔術の教理と祭儀」は、後のオカルティスト達のバイブルともいうべき本。

 研究熱心なタロットティストや専門家にとって、レヴィはエテイヤ以上に有名ですし、常に一目置かれる人物です。
 何せ「宇宙全般の知識を手に入れるツール」としてのタロットカードの地位を確立した人ですから。
 現代のタロット・リーディングのメソッドの要となった、ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け団)の教義は、レヴィからの影響を色濃く受けています。

 エリファス・レヴィは、エテイヤの死後20年ほどして生まれた人ですが、エテイヤのタロットに対して、レヴィは本当に容赦ないです。

 これじゃあ、エテイヤが可哀そうというくらい…。
 今も続く、エテイヤ軽視の傾向は、レヴィによって始まった事は間違いないです。

 エテイヤが、タロット研究において、いかに無意味な努力をしてきたか、それは「高等魔術の教理と儀式」に記しておいた。
 この天啓を授かったという理髪師は、30年の努力の果て非正統的セットを世に出した。「鍵」はどこかに追いやられ、もはや数字と十二宮は照応していないのである。
 一言でいえば、このデッキはエテイヤの知的レベルに適したカードといえる。どのみち、大した事はないのである。
(エリファス・レヴィ「魔術の歴史」)


 エテイヤは、もっぱら自分の占いを体系づけ、そこから金銭的利益を引き出す事に腐心し、読み書きすら満足に出来ない理髪師上がりの分際で、「トートの書」を改良し、それを己のものにしたと豪語していた。
 彼の仕事は、クール・ド・ジェブランによって発見された古い書物を、通俗魔術とジプシー女占い師の領域に、突き落としてしまったのである。
(エリファス・レヴィ「高等魔術の教理と祭儀」)


 この後、レヴィに続く研究者たち(例えばパピュスなど)も、レヴィにならって同じようにエテイヤをこき下ろしています。
 どおりで、エテイヤ・タロットが廃れるわけです。

 でも、ここで注目すべきは、エリファス・レヴィは、エテイヤの事は否定しつつも、今では完全に否定されている、クール・ド・ジェブランの「エジプト起源説」をちゃんと認めている事です。

 エジプトとタロット…、その因果関係とは一体…


 話は最初に戻って、若者たちの嫌われ者モンパルナス・タワーがきっかけとなって、パリでは高さ37m以上の建物は建てられない事になっていました。

 ところが、4年前にこの法律は廃止。何と今年2012年200mの超高層ビルが建つ事に決定したそうです。

 そのビルの完成予想図を見た僕は、思わずびっくりしました。
 そしてなぜか「エジプト」というキーワードが、何度も脳裏によぎったのです。

 しかもそのビル、僕のアパルトマンの最寄駅「コンバンシュン」から、ひと駅の所にあるというではありませんか。

 これから早速、見に行ってきます。
 明日また、このブログで皆様に報告しますね。

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